2010年08月04日

英国のキツネ事情

 さて久々の更新となりますが、今回は英国のキツネ事情について取り上げたいと思います。
 英国とキツネと言いますと、ブレア政権下でのキツネ狩り禁止法案の制定と言った事で国論が紛糾したりと色々と因縁深い点はある訳ですが、言い換えればそれだけキツネと人間社会が近しいところにある、と言えるのでしょう。
 そんなイギリスで今年の6月、ロンドン近郊の衛星都市にてキツネが双子の赤ちゃんを襲うと言う事件が発生しました。これは日本でも時事通信が報じており( http://www.jiji.com/jc/a?g=afp_int&k=20100608025121a&rel=y&g=soc )、自分もここからこの事件を知ったと言うものでした。
 最もこの記事だけではあくまでも概要、と言うところですからやはり現地の報道も見てみたいもの。と言う訳で神をも恐れぬパイソンズ、韓○車と共産車とブリティッシュ・レイランドなんてぶち壊して当然、Poweeeeeeeeer!と叫んで仕方ない。でも米国南部の熱狂的福音主義者には敵わなかったジェレミーおぢさんの番組、それらを平然と流す伝統のBBCのサイトにて早速検索してみると、以下のリンクの様な記事が出て来ました。

 「How common are fox attacks on humans?」( http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/magazine/8726282.stm )と名付けられた、日本語で書くならば「キツネが人を襲うのはどれくらいありふれた事なのか?」とでもなるのでしょうが、事件の報道と共に英国におけるキツネ事情を紹介している点で興味深い記事と言えるでしょう。
 全てを訳すのは興醒めですし。冗長ですからポイントとして「THE ANSWER」の欄を見てみる事にしましょう。ここではまずキツネが人を襲う事はきわめてまれである事「Fox attacks on humans are very rare」が挙げられいます、この辺りは過度のキツネに対する警戒心や恐怖心をあおらない為、と言うのもあるのでしょう。
 次に挙げられているのは、しかし時には苦痛を与えると噛み付く時もある「But they do sometimes bite if distressed」。そして毎年この時期は生後三ヶ月の子ギツネたち自身の探索をする、「And at this time of year, three-month-old cubs are starting to explore on their own」。つまり巣離れをして、それぞれの縄張りなどを見つけ出す時期であると読める一文から構成されています。
 また本文自体とあわせて読むとどうやらまだ若いキツネが、何らかの事情で家の中に侵入し、赤ん坊に噛み付いたのでしょう。
 なお家の中に侵入する事例としては食べ物の匂いに惹かれて、と言う場合があるようです。布団の中に侵入して寝ている時もあると言うのはお茶目ですが、無用な面倒ごとは避けようとするところがなんとも人間的です。
 そしてこの事件そのものを報じた記事( http://www.bbc.co.uk/news/10251349 )では、この事件を受けて被害を受けた家の裏庭に罠が置かれ、日曜日に1匹のキツネが捕獲され「Humanely killed」、つまり安楽死処分された模様です。
 事件自体を報じた記事の末尾には2002年にも同様の事件があったとの事で、非常に稀な事例と言うのが端々で繰り返されていますが数年に一度は起きている事なのでしょう。
 
 なお「How common〜」の記事へ戻りますと、英国の都市部にどれだけのキツネが住んでいるのか、と言うデータが載っています。
 この辺りはキツネではなくタヌキが、NHKの番組でも特集が組まれるほど住んでいる東京の事例とも比較できる機会があればしてみたい、と思えてしまうところですが「225,000 adult rural foxes and 33,000 urban foxes roam Britain」。つまり英国全土で258000匹いるキツネの内、33000匹が都市部に住んでいるのですから7〜8匹に1匹の割合で都市に住んでいる計算と言えます。
 一方で日本にどれだけのキツネが住んでいるのか、と言うデータは環境省作成の資料( www.biodic.go.jp/cbd/2/ei3-3-8.pdf )によると平成13年に作成されたものでは、10万頭を超える程度。
 最も根拠となっている資料の一部が1981年のデータですので最新のではない、と言えるところですが個人的には大体その程度ではないのかと言うのが印象です。
 何故なら本州に比べて圧倒的にキツネを見る機会の多い北海道、つまりキタキツネに関して国立感染症研究所の資料( http://idsc.nih.go.jp/iasr/22/260/dj2605.html )では疥癬の流行による個体数の現象が指摘されています。
 加えて4年ほど前に北海道の温根湯温泉にキタキツネを見るべく訪れた際、帰りの留辺蘂駅までのタクシーの中で運転手の方より伺った話でも、以前は夜になれば駅前までキタキツネが現れたのが最近はめったに見なくなった。との事ですから、我が国におけるキツネの少なさは単純な国土面積の差を除いても英国に比して明らか。
 対して英国のキツネの生息数は大きく、故に都市部に進出していても不思議ではないのかもしれません。そして1930年代以降に都市部でのキツネが確認されるようになった、と言う行もまた興味深く。ちょうど歴史的に見れば第一次世界大戦と第二次世界大戦の戦間期であり、欧州にはファシズムとコミュニズムが渦巻きつつあった時代ですが、一体どうしてそんな時代に?と興味は尽きません。

 それ以外にもキツネの野生化での寿命の話題や「fox-lover」即ちキツネ好きが設立した「National Fox Welfare Society」なる団体、そして野良狐に対して好意的な英国の世論等に触れられている、興味深い記事であると言えるでしょう。
 日本では同様な調査があるのかはわかりませんが、狐耳だとかそう言うのに対する萌と無理やり関連付けてみるのも有かも知れません。なお前述の団体のサイト( http://www.nfws.org.uk/ )を拝見しましたが、中々キツネ好きとしてはおいしいサイトでなりません。
 それ以外にもBBCには「RED FOX」と題されたページ( http://www.bbc.co.uk/nature/species/Red_Fox#intro )があり、中々キツネ好きのツボをついていると言えましょうか。最も各種動画に関しては日本からの視聴が出来ないのが残念ですが、メスキツネの鳴き声が聞けたり動画こそ見れないものの、キャプションからどう言う内容なのか想像するのもまた面白いのではないでしょうか。

 キツネが赤ん坊を襲う、と言う記事から始まって色々と見る事になって、この様なブログを書いてしまった訳ですが興味深さと共に、改めて我が国のキツネ事情が気になってしかない、そんな心地でありました。
 拙い英語力で辞書を片手に読み解いていたので、読み違い等があるかもしれません。その様な点が若しありましたらコメント欄にてご指摘頂ければ幸いです。
posted by 冬風 狐 at 03:37| Comment(0) | TrackBack(0) | キツネ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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